第3回演奏会

演奏曲目

2002.12.7(土) 19:00 開演 日本福音ルーテル健軍教会

〜ルネッサンス合唱音楽の楽しみⅡ〜

第1ステージ:イタリアのモテット 指揮:大津敬一朗

  1. Alma redemptoris:Giovanni Pierluigi da Palestrina (1525-1594)
    慈悲深い救世主の母よ:ジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナ
  2. O sacrum convivium:Giovannni Croce(1557-1607)
    おお聖なる饗宴:ジョヴァンニ・クローチェ
  3. O Rex gloriae:Luca Marenzio (1553-1599)
    おお栄光の王:ルカ・マレンツィオ
  4. O sacrum convivium:Luca Marenzio (1553-1599)
    おお聖なる饗宴:ルカ・マレンツィオ

第2ステージ:グレゴリオ聖歌をめぐる音楽 指揮:竹井成美

  1. Sicut cervus / Sitivit anima mea:Cantus Gregorianus
    谷川慕いて:グレゴリオ聖歌
  2. Sicut cervus / Sitivit anima mea:Giovanni Pierluigi da Palestrina (1525-1594)
    谷川慕いて:ジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナ
  3. Pange lingua gloriosi:Tomás Luis de Victoria (1548-1611)
    歌え舌よ:トマス・ルイス・デ・ビクトリア

第3ステージ:フランスのシャンソン 指揮:竹井成美

  1. Tant que vivray:Claudo de Sermisy (c.1490-1562)
    花咲く日々に:クロード・ドゥ・セルミジ
  2. Ma peine n'est pas grande:Clément Janequin (c.1475-c.1560)
    わが苦しみは:クレマン・ジャヌカン
  3. Au joly boys:Claudo de Sermisy (c.1490-1562)
    美しい森で:クロード・ドゥ・セルミジ
  4. A ce joli mois:Clément Janequin (c.1475-c.1560)
    美しいこの5月に:クレマン・ジャヌカン
  5. Le chant des oyseaux:Clément Janequin (c.1475-c.1560)
    鳥の歌:クレマン・ジャヌカン

歌詞対訳

Alma redemptoris Mater

Alma redemptoris Mater,
quae pervia caeli porta manes
et stella maris succurre cadenti,
surgere qui curat populo.
Tu quae genuisti, natura mirante,
tuum sanctum genitorem.
Virgo prius ac posterius,
Gabrielis ab ore sumens illud ave,
peccatorum miserere.

慈悲深い救世主の御母よ、天国の扉を開け放ち、
また海の星として、倒れても起き上がろうとする民を
お守り下さい。
あなたは奇跡により神聖な息子をお生みになった。
永遠の聖母よ、ガブリエルの口から祝福の言葉を受け、
罪深い者を憐れんで下さい。

O sacrum convivium

O sacrum convivium
in quo Christus sumitur :
recolitur memoria passionis ejus,
mens impletur gratia,
et futurae gloriae nobis pignus datur.
alleluja.

おお聖なる饗宴よ、
キリストのからだ(パン)をいただく聖餐よ、
あなたの受難の記憶が思い起こされ、
心は感謝で満たされる、
我々に来るべき栄光の証が与えられる。
アレルヤ(めでたし)。

O Rex gloriae

O Rex gloriae, Domine virtutum,
qui triumphator hodie
super omnes caelos ascendisti,
ne derelinquas nos orphanos,
sed mtte promissum patris in nos
Spiritum Veritatis. alleluia

おお栄光の王よ、高貴なる主よ、
今日天のいと高きところへ勝利なされました、
私たちを孤児のように見捨てられることなく
大いなる父が私たちにお約束になられた
“真実なる心”をお与え下さい。
アレルヤ(めでたし)

Sicut cervus / Sitivit anima mea

Sicut cervus desiderat ad fontes aquarum,
ita desiderat anima mea ad te, Deus.
Sitivit anima mea ad Deum fontem vivum,
quando veniam et apparebo ante faciem Dei?
Fuerrunt mihi lacrymae meae panes die ac nocte dum dicitur mihi quotidie:
Ubi est Deus tuus?

谷川慕いて鹿が泉の水を求めるように
私の魂も神様あなたを慕っています。
私の魂は渇き、生命の泉である神様を慕っています。
いつ神様の御姿を拝礼することができるでしょうか?
「あなたの神はどこにいるのか?」と問われる日々に、
私は昼夜を問わず涙にくれていました。

Pange lingua

Pange lingua gloriosi corporis mysterium,
sanguinisque pretiosi,
quem in mundi pretium fructus ventris
generosi Rex effudit gentium.
Nobis datus, nobis natus ex intacta Virgine,
et in mundo conversatus sparso verbi semine
sui moras incolatus miro clausit ordine
Tantum ergo sacramentum veneremur cernui:
et antiquum documentum novo cedat ritui.
Praestet fides supplementum
sensuum defectui.
Genitori, Genitoque laus et jubilatio, salus, honor, virtus quoque sit et benedictio.
Procedenti ab utroque, compar sit laudatio.
Amem.

歌え舌よ、栄光の御体の神秘と貴重な流血とを、
それは世の救いのため御腹よりお生まれになった御子である、人々の王が流された血である。
私達のために汚れない聖母よりお生まれになり、
お与えになられ、そして福音を伝えるため現世を生きられ、その終焉では奇跡をもたらされた。
それゆえにこの偉大な秘蹟を伏して崇めよう
そして古い儀式をあらため、新しい典礼を始めよう、
衰えた五感が信仰によって甦るように。
父と子に、賛美、喜び、救い、誉れ、力、
そして祝福がありますように。
両者から生まれたものにも称賛がありますように。
アーメン(そうでありますように)

Tant que vivray

花咲く日々に生きる限り、全能の王、愛の神に仕えよう。行いと言葉、歌と音楽で。しばらくは愛の神が私を悲しませたが、その後に大きな喜びを与えてくれた。
今、私はあの美しい人の愛を得たのだから。
彼女との絆は私の大きな希望、彼女の心は私のもの、
私の心は彼女のもの。さらば悲しみよ、喜びに栄あれ
なぜなら愛の中には多くの幸があるのだから。
私があの人に仕え尊敬したいと思うとき、
また書き物にしてその名を飾りたいと思うとき、
あの人に会って何度も訪ねるとき、
うらやむ人たちは不平をいうが、私達の愛は継続し、
羨みは風が持ち去ってくれる。
羨まれても私は生涯あの人を愛し歌いつづける。
私が仕えるのはこれが最初で最後の人。

Ma peine n'est pas grande

わが苦しみはそれ程大きくない、それ以上のものを得たと思えば。私の望みはただ彼女に会うこと。多情な君たちよ、私が君たちと同じようにやつれるとは思わないように。彼女が喜ぶのをみたり、またはキスをして彼女が喜べば私は非常に満ち足りるのだ。
もし私に幾らかでも苦しみがあれば、君たちは拷問を受ける。わが苦しみは必ず癒される。以前はそうでないように話したこともあったが、しかし絶大な信頼があると断言する。なぜならば彼女は不貞など全くなく私に忠実で、彼女に満足している私は全く正しいからだ。

Au joly boys

美しい森の静かな木陰で悲しみを癒しに行こう。
心は辛い思い出で満ち、多くの苦しみの果実を味わう。
黒い花が咲く庭で目から涙が流れる。
喜びもときめきももう終わった、未練が胸を押潰す、
わたしは恋を失った。
ああ時が過ぎるのをどう耐え忍ぶのか。
すべての喜びはもう枯れ果てた!

A ce joli mois

美しいこの5月にみんな楽しもう!
みんな眠るのは止めて目を覚まそう、
踊ろう、跳ねよう、
そしてお相手の羊飼娘さがしに挑戦しよう!
変な見栄を捨てされば上手く踊れるよ、
陽気に歌い、勝者となろう、
この中で一番陽気な者こそ勝利の旗手となるのだ!

Le chant des oyseaux

目を覚ませ!休止した心よ、愛の神が呼んでいる。

5月の初日に小鳥達が奇跡をおこそうとしている。
元気を出したいなら、ほら耳を澄ませてごらんよ、
ファリラリロン‥‥フルリ‥‥ジョリ‥‥
楽しくなってくるだろう、楽しみに身をゆだねよう。

ほら聞える、王様つぐみの鳴声だ、甘美な調べだ、
ティ、ティ‥‥ピティ、ピティ‥‥シュ、シュ‥‥
なにいってるんだい、むくどりくん!神様の頭にかけて。大笑いとお祭り騒ぎ、これが私の主義。皆さんも一緒にどうぞ!

ナイチンゲールのさえずりは美しい森に鳴り響く。
元気を出したいなら、ほら一緒に歌ってごらんよ。
フリァン‥‥テュテュ‥‥ウィウィ‥‥トゥル‥‥
後悔も泣き言も心配も消えてしまえ、そう季節は言ってるよ!

かっこうの旦那、あっち行ってこの場から消えてくれ。みんなが軽蔑しているんだ、裏切り者。
カッコー‥‥カッコー‥‥、呼ばれもしないのにみんなの巣に卵を産んで欺いている。

目を覚ませ!休止した心よ、愛の神が呼んでいる。

演奏曲目と歌詞対訳